- タイミング補正のやり方が分からない
- プロのMIXではどうやってタイミング補正しているの?
- リズム補正のコツを教えて欲しい
こんなお悩みを解決します。
この記事でわかること
- プロがおこなうタイミング補正のやり方
- タイミング補正の下準備
- タイミング補正の具体的なやり方
- タイミング補正のコツ11選
この記事を書いている僕は、フリーランスエンジニア歴9年ほどです。
現在は、レコーディングエンジニアをしながら、MIX師としても活動しています。
本記事は「タイミング補正が上手く出来なくて悩んでいる方」に向けて書いています。
この記事を読むと「タイミング補正のやり方、ボーカルのリズム補正のコツ」が分かるようになると思います。
それでは、さっそく見ていきましょう。
※すぐに「リズム補正のコツ」が知りたい人は「タイミング補正のコツ11選」で解説しています。
プロがおこなうタイミング補正のやり方
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まず、プロはMIXの際、どのようにタイミング補正をしているのでしょうか。
結論、プロがおこなうタイミング補正のやり方は下記の2つです。
- 手動で波形を編集する
- ボーカル補正ソフトを使う
それでは、1つずつ解説しますね。
手動で波形を編集する
プロの現場では、手動で波形を編集してタイミング補正することが多いです。
なぜなら、ボーカル補正ソフトを使うよりも、自然な補正が出来るからです!
ボーカル補正ソフトだと「波形の頭の位置」を合わせると「波形の長さ」まで変わってしまいます。
そのため、手動で編集するよりも補正感が強くなってしまうことがあります……
ですので、自然なタイミング補正をするために、出来るだけ手動で波形編集するようにしています。
ボーカル補正ソフトを使う
とはいえ、プロの現場でも、ボーカル補正ソフトでタイミング補正をすることはあります。
例えば、歌の長さを伸ばしたくても、波形の長さが足りないという場合です。
そのような場合は、波形編集で無理に補正しようとしても不自然になってしまいます……
その点、ボーカル補正ソフトを使えば、自然な形で長さを調整出来ることもあります。
ですので、必要に応じて、波形編集とボーカル補正ソフトを使い分けようにしています。
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タイミング補正の下準備
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それでは、タイミング補正のやり方を解説する前に下準備をしておきましょう。
タイミング補正の下準備は下記の2つです。
- DAWに本家の音源を読み込む
- DAWとカラオケのテンポを合わせる
これを済ませておくだけで、スムーズにタイミング補正ができようになりますよ!
それでは、1つずつ解説しますね。
DAWに本家の音源を読み込む
まず、DAWに本家の音源、カラオケ音源、ボーカル音源を読み込んでおきましょう。
本家の音源と聴き比べることで、正しい位置にタイミング補正出来るようになります。
たとえばハネたリズムなど、タイミング補正が難しい曲もあるんですよね……
ですので、本家の音源を聴いて、曲のノリに合わせて補正をしましょう!
DAWとカラオケのテンポを合わせる
次に、音源が読み込めたら、DAWとカラオケのテンポを合わせておきましょう。
楽曲のテンポの探し方は、下記の3つです。
- 楽曲のテンポをネットで調べる
- DAWに付属しているBPM検出機能を使う
- タップテンポアプリを使う
テンポを設定しておくと、グリッド線を目安にタイミング補正が出来るようになります。
初心者のうちは、耳だけでタイミング補正をするのはかなり難易度が高いんです……
曲のテンポを見つけられたら、DAWのグリッド線に波形の位置を合わせておきましょうね!
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テンポの合わせ方が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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タイミング補正の具体的なやり方
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下準備が出来たら、タイミング補正をしていきましょう!
タイミング補正の具体的なやり方は下記の2つです。
- ボーカル補正ソフトで補正する
- 手動で波形を編集する
それでは、1つずつ解説しますね。
ボーカル補正ソフトで補正する
まず、ボーカル補正ソフトを使ってタイミング補正をする方法です。
ボーカル補正ソフトといえば、メロダインが有名ですよね!
DAW付属の補正ソフトでも良いですが、メロダインは初心者にも使いやすのでおすすめです。
メロダインのタイムツールを選択して、波形を左右にドラッグするとタイミングが補正できます。
補正前
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補正後
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ツールで引っ張るだけで位置が調整できるのでとても簡単ですよね!
ただし、波形の位置をずらずと音の長さも変わってしまい、やりすぎると補正感も強くなってしまいます……
初心者のうちは良いですが、いずれボーカル補正ソフトを使わない方法もマスターしましょう。
メロダインの使い方が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【メロダインの使い方】タイミング・ピッチ補正やケロケロを徹底解説
手動で波形を編集する
もうひとつは、手動で波形を編集する方法です。
ボーカルとカラオケを聴きながら、リズムがずれている波形の位置を手作業で動かしていきます。
DAWとカラオケのテンポを合わせていれば、グリッド線を目安に補正出来るのでおすすめですよ!
編集した波形の前後は、そのままにしておくとノイズの原因になってしまいます……
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ですので、必ずフェードをかけるようにしましょう!
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手動でタイミング補正をするとこんなに細かい波形になります……
補正前
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補正後
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とても大変な作業ですが、ボーカル補正ソフトよりも補正感が少ないのがメリットです。
クオリティの高いMIXをしたいのであれば、手動で波形を編集できるようになりましょう。
波形編集の方法が詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
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タイミング補正のコツ11選
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「タイミング補正をやってみたけどなんだか上手くできない」
「MIXしている時はいい感じだったのに、スマホで聴くといまいち……」
なんてことありませんか?
実は、タイミング補正はちょっとしたコツを掴むだけで上達できるんです……!
そんなタイミング補正のコツは下記の11個です。
- 低音が控えめなヘッドフォンとスピーカーを使う
- モニターの音量を下げる
- カラオケの音量を下げる
- ヘッドフォンとスピーカー両方でチェックする
- ボーカルのMIX処理を先にしておく
- 本家ボーカルの波形にあわせる
- グリッド線の設定を変更する
- オモテの拍から合わせる
- 歌のすき間を意識する
- サ行の位置に気をつける
- カ行、タ行の位置に気をつける
それでは、1つずつ解説しますね。
低音が控えめなヘッドフォンとスピーカーを使う
タイミング補正には、低音が控えめなヘッドフォンとスピーカーを使いましょう。
なぜなら、低音はボーカルをマスキングしてしまい、正しいリズムが聴き取れなくなるからです。
例えば、ヘッドフォンですと、SONY MDR-CD900STやYAMAHA HPH-MT8などは低音が控えめなのでタイミング補正がやりやすいです。
もし、タイミング補正がやりづらいなと思った時は、モニター環境を見直してみましょう!
モニターの音量を下げる
タイミング補正をする時は、モニター音量を下げておきましょう。
なぜなら、モニター音量が大きすぎるとボーカルがいい感じに聴こえてしまうからです。
目安としては、曲を流しながら会話が出来るくらいの音量から始めてみると良いです。
「MIXしている時はいい感じだったのに、スマホでチェックするといまいち……」
と悩んでいる人は試してみてください!
カラオケの音量を下げる
タイミング補正をする時は、カラオケの音量を下げておきましょう。
なぜなら、カラオケの音量が大きすぎると、ボーカルのリズムを感じづらくなってしまうからです。
例えば、スマホで聴くと、モニタースピーカーよりもボーカルが大きく聴こえます。
そのため、MIX中はいい感じだったのに、スマホで聴くとボーカルのリズムが気になってしまうことがあります。
目安としては、リズム楽器がうっすら聞こえるくらいカラオケを下げて作業しましょう。
そのあと、カラオケを適正音量まで上げて再度チェックするとより完璧です。
スマホでチェックすると補正が甘く聴こえてしまいがちな人は試してみてください!
ヘッドフォンとスピーカー両方でチェックする
タイミング補正はヘッドフォンとスピーカーの両方でチェックしましょう。
なぜなら、ヘッドフォンとスピーカーでは音の聴こえるタイミングが変わるからです。
とくに「サ行」はモニター環境によってタイミングが違って聴こえることがあります。
ですので、どんな環境で聴いてもいい感じになるよう、複数のモニターでチェックするようにしましょう!
ボーカルのMIX処理を先にしておく
タイミング補正をする前に、ボーカルのMIX処理をしておきましょう。
なぜなら、コンプやEQをかけるとボーカルの聴こえ方が変わるからです。
せっかくタイミング補正をしたのに、コンプやEQでノリが変わってしまうと、またやり直さなくてはいけなくなります……
ですので、最終的なMIXをイメージした音質にしておくことで、効率的にタイミング補正が出来るようになります!
本家ボーカルの波形にあわせる
初心者は、本家ボーカルの波形にあわせてタイミング補正をしてみましょう。
なぜなら、ハネたノリなど耳で聴いただけでは、タイミング補正をしづらいことがあるからです。
最近ですと、LALAL.AIやiZotopeRXなどを使えばボーカルソロの音源を作成できたりします。
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本家ボーカルの波形を参考にすれば、難しい曲もタイミング補正しやすくなりますよ!
グリッド線の設定を変更する
曲のノリに合わせて、DAWのグリッド線の設定を変更しましょう。
なぜなら、曲によって「縦ノリ」「横ノリ」などリズムのとり方が違うからです。
たとえば、ハネたリズムであれば、グリッド線を3連符に変更すると視覚的に判断しやすくなることもあります。
※曲によって違いますのであくまで1つの例です。
もちろん耳で判断するのが大切ですが、見た目でも判断できるようにしておきましょう。
オモテの拍から合わせる
タイミング補正で迷った時は「オモテの拍」から合わせると上手くいくことがあります。
タイミング補正をしていると、全部の音をグリッド線と完璧に合わせたくなってしまうんですよね……
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もちろん、バッチリ合わせたほうが気持ちの良い曲もあります。
ですが、完璧に補正してしまうと、歌い手の個性がなくなってしまうこともあります……
ですので、まずは「オモテの拍」を合わせてみましょう。
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そのあと「ウラの拍」や「16分の拍」を補正する必要があるか耳で聴いて判断しましょう。
そうすることで、より自然な補正ができるようになります。
歌のすき間を意識する
自然なタイミング補正をするためには、歌のすき間を意識しましょう。
「歌のあたま」を補正すると、その前の「歌の終わり」のすき間が詰まってしまい不自然になることがあります。
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そんな時は「歌のあたま」と一緒に「歌の終わり」の位置も動かしてみましょう。
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そうすれば、元のボーカルと同じすき間を維持できるので、自然な補正が出来ます。
サ行の位置に気をつける
タイミング補正をする時は「サ行」の位置に気をつけましょう。
なぜなら「サ行」はモニター環境やMIXの音質によって聴こえ方が変わるからです。
「母音」の位置を目安にタイミングを補正しつつ、耳で聴いて微調整してみましょう。
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どの環境で聴いてもちょうど良い位置になっているか、ヘッドフォンとスピーカーの両方でチェックするようにしましょう。
カ行、タ行の位置に気をつける
タイミング補正をする時は「カ行」「タ行」の位置に気をつけましょう。
なぜなら、言葉によってちょうど良い補正の位置が違うからです。
まずは「母音」の位置を目安にタイミングを補正しつつ、前のめりに聴こえるようなら少し後ろに微調整しましょう。
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僕は「アタック音の中心」をグリッドに合わせるとちょうどよく感じることが多いです。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「タイミング補正のやり方、ボーカルのリズム補正のコツ」について解説しました。
僕も最初の頃は、スマホで聴くと補正がイマイチに聴こえてしまい、何度もやり直すことがありました……
でも、今回ご紹介したコツを意識することで、スムーズにタイミング補正できるようになると思いますので参考にしてみてください!
MIXでお困りの方、お任せください♪
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