[MV] 輪廻転生/まふまふ [オリジナル曲] https://youtu.be/vU3oF90WKpw

ボカロ曲解釈 コラム

【輪廻転生 / まふまふ】を徹底的に解釈しました

まふまふさんの人気曲「輪廻転生」をご存知でしょうか?

イントロをちょっと聴くだけでも「まふまふさんの曲だ!」と一瞬でわかってしまうほど、まふまふさん節が炸裂している楽曲となっております。

しかしそれだけで終わらせないのが彼の楽曲の特徴ですよね。

MVと歌詞を合わせて考察していきたいと思います。

 

「輪廻転生」ってどんな曲?

[MV] 輪廻転生/まふまふ [オリジナル曲]

 

この楽曲は2017年9月30日に公開され、再生回数は1400万を超えておえり、コメントはなんと1万件以上も寄せられています。

この膨大な数字からまふまふさんの沢山のファンの方から愛されている楽曲であることが分りますよね。

 

イントロから疾走感のあるサウンド、そしてサビではまふまふさんの最大の特徴であるハイトーンボイスを堪能できる楽曲となっているので何回でも聴きたくなってしまいます。

 

まふまふさんの楽曲に対するコメント

(画像引用元:輪廻転生/まふまふ 概要欄より

動画の概要欄には「全て、生まれ変われ」の一言コメント。

「生まれ変わりたい」という願望ではなく、「生まれ変われ」の口調から強い意志がそこにあることが分りますよね。

 

曲名「輪廻転生」の意味とは?

それでは曲名である「輪廻転生」の意味を解説していきたいと思います。

 

輪廻転生とは、死亡しあの世へ逝った魂が、新しい命を持って繰り返しこの世に生まれ変わることを言います。

仏教のイメージが強いと思われますが、古代ギリシア宗教思想や世界各地、

そして輪廻転生が存在しないイスラム教でも宗派によってはこの考え方を持っていたりもします。

 

当楽曲の歌詞をざっと見ただけでも、「命」や「今の人生」について言及している部分が多くあるため

「今の状況を変えたい、又は脱出したい」と言った意味合いが込められていると考えられるでしょう。

 

楽曲の主人公について

[MV] 輪廻転生/まふまふ [オリジナル曲]

キャラクターそのものはまふまふさん自身の固定キャラになります。

MVを見る限り学校にあるような机や椅子が出てきたり、キャラクターが着ているものが制服であることから

主人公は10代の学生であると断定しても良いでしょう。

 

10代は「反抗期」「思春期」だったりと多感で情緒が揺らぎやすく、繊細な時期ですよね。

こういったキャラクターの年齢も出てくる歌詞に大きく関わってくるかと考えられます。

「輪廻転生」歌詞解釈

燃えるゴミの日にまとめて捨てよう

人生とかいう名の分が悪い博打

疾うに とっくに廃止して
燃えるゴミの日にまとめてぽいっだ

(歌詞引用元:まふまふさんピアプロ

 

人によって家庭環境が違ったりして、そこから与えられるもの、学べるもの、

そういった環境だけでなく生まれ持ったものは人それぞれで、努力だけでは賄えない部分が必ずあり、差がどうしても生じてしまいます。

不平等なハンディーをそれぞれ持ちながらも、平等に良いものを持っている人たちと同じ土俵に立って戦わなければならない勝負は

「分が悪く」「博打」でしかないと主人公は吐き捨てています。

 

冒頭から主人公は自分よりも「良いもの」に囲まれて育ってきた人に対する嫉妬や劣等感など

強い感情を抱いていることが分りますよね。

 

誰にもなれない 誰でもないまま

怨嗟 連鎖 で道も狭に

誰にもなれない 誰でもないまま

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

「怨嗟(えんさ)」とは「恨み嘆くこと」といった意味の言葉になります。

やはり主人公は強い負の感情を持っており、それが足かせとなってしまい、

自分の道を開拓すらできず、自分らしさを見出せず、諦めてしまっているように考えられますよね。

 

「翼が無けりゃ、空を降らしてくれりゃいい。」

右倣って小猫が鳴いた
「翼が無けりゃ、空を降らしてくれりゃいい。」

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

 

高く飛び立つ為の翼、とは「才能」「センス」などを指していると考えられます。

そして「空を降らしてくれりゃいい。」の「空」が指すものは、自分よりも恵まれている、上にいる人達と考えられるのではないでしょうか。

このことから「恵まれている奴らなんか落としてしまえ」といったメッセージがあることが考察できます。

 

天使の囁きか、悪魔の囁きなのか。

この後のストーリーの展開で分かってくるでしょう。

 

未来も何も見いだせない

未来も何も見いだせない
荒縄で吊れるような 命に答えはない

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

 

「荒縄で吊られるような命」の歌詞から、「自殺」のワードも連鎖できますが

私が考察するに命を自ら絶つことを指しているのではなく、

自分たちよりも立場が上の人間たちに操られるような、その人達の良い様に扱われている

言葉が悪いですが、言わば奴隷や社畜のような人達の命の未来には希望を見出せないと嘆いている様に見えました。

 

そんな命なんていらない、価値なんてないと考えてしまっている主人公は

こんな人生は捨てて輪廻転生があるのならば、

それに頼ってしまっても良いんじゃないかと考えてしまっているのではないでしょうか。

皮肉なことにこれも「神頼み」と何ら変わりない様に見えます。

主人公はもう死んでしまっている?

ワンコーラス歌詞解釈を終えたところで、MVについて触れていきたいと思います。

まず頻繁に機械の中に組み込まれている様な「歯車」が頻繁に登場します。

 

歯車と言えば「社会の歯車」というワードを連想する方も少なくないのではないでしょうか?

主人公は何の変哲もない「ただの歯車」であることを表現していると考えられます。

 

そしてその歯車と共に描かれている信号機。

歌詞と何の関係があるのだろう?と意味深に感じますよね。

信号が赤になればそれに従って止まり、青になれば進む。

誰もが当たり前に守っているルールですよね。

しかし「人生を捨てても良いんじゃないか」と考えてしまっている主人公ですので、

そのルールを破り、車道に飛び込んで自ら命を絶ったということも考察できるのではないでしょうか。

 

サビ前まで主人公の服装は学生服でしたが、

サビになって突然「白い服」に変わり、後光が差しています。

後光は「菩薩や仏から放たれる光」「その人物の光栄」であり、

後光が差すのは神々しいものだったり、ありがたいものが対象ですよね。

 

そして主人公が来ている白い服。

白い服と言えば、故人に着せる「死に装束」がまず頭に浮かびました。

死に装束が白いのはあの世に行くときに穢れの無い状態で向かわなければならない為、白色とされています。

仏教的に考えなくても、天使が着ているものは「白」をイメージしますし、後光が差している宗教画をよく目にしますよね。

そのことから「白い服を着た主人公はこの世の者ではない」と考えられます。

 

あの世ってやつは居心地いいようだ

あの世ってやつは居心地いいようだ
誰もここには帰らないもんな

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

 

死んだ人は誰もこの世に戻ってこない(生き返らない)から、

あの世は居心地がいいんだろうなと主人公は考えます。

しかし死人に口なし、誰もそれを証明できないし、主人公だって答え合わせはできません。

強い現実逃避をここから感じることができます。

 

泥以外作れやしない

どれだけ泥が泥を捏ねたって
泥以外作れやしない

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

「泥」は恵まれていない人、または自分を指していると考えられます。

そんな人が努力をしたところで何も変わりやしない、努力なんかもうしたくないと思考が捻くれてしまっていることが分かりますよね。

 

しかし恵まれていない人だって失敗の人生となるとは限られていませんし、

不平等ではありますが成功する可能性はあるかもしれません。

思考が捻くれてしまった主人公にはそういった希望すら持てなくなっている為、匙を投げてしまった歌詞が綴られています。

 

そんなもんは望んじゃいないってんだ

この未来に答えも正解も
そんなもんは望んじゃいないってんだ

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

 

希望も持てない、奴隷となってしまう様な人生に意味も幸せも、もう望んではいないと感情的に叫ぶ様に歌われています。

ここで「輪廻転生をしてやる」という強い決意を感じることができるのではないでしょうか。

等しい幸せなど ゆめゆめ願いやしない

 

未来も何も見いだせない
等しい幸せなど ゆめゆめ願いやしない

(歌詞引用元:ピアプロ「輪廻転生」

 

不平等な生まれ、育ち、世の中で全員が等しい幸せなんか手に入れるなんて無理だから

神様にそんな願いなんかもしない、と未来への希望をきっぱりと切り捨ててしまっていますね。

平等なんかじゃないのに偉そうに「死ぬな」なんて言うな、と主人公は吠えます。

 

ここまで最後の「輪廻転生」のフレーズの前にある歌詞で指していたのは

一番「ボクは生まれ変わる」

二番「君も生まれ変われ」

大サビ「全て生まれ変われ」

となっていました。

「恵まれた奴も恵まれていない奴も、全員輪廻転生してしまえばいい」と徐々に周りまで巻き込む思考へと変わってしまっています。

 

更に今までのサビと違うのは、主人公に翼が生えているのです。

一番で「翼が無けりゃ、空を降らしてくれりゃいい。」といった歌詞があったのを覚えているでしょうか。

彼は空を降らせる為の「翼」を手に入れたと考えていいでしょう。

 

そして二番では「処刑台 殺人の正当性」の歌詞もあります。

ここで彼が手に入れた「翼」がリンクするとも考察できますよね。

神様の作り方を知りたがっていた主人公は、自ら神様となり、平等に裁きを下そうと言う結論に至ったことが分かります。

 

最後に

歌詞を細かく解釈していくと、ただ不平等な人生に嫌気がさして自ら命を絶つ歌ではなかったことが分かりましたよね。

果たして彼は神様になれたのでしょうか。

 

それでは最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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