- 歌ってみたのMIXをやってみたい
- でも、MIXのやり方がわからない
- MIXはどんな順番でやるのがいいの?
今回は、歌ってみたのMIXをやってみたいけど、やり方が分からなくて困っているあなたの為に…
プロのエンジニアが、歌ってみたのMIXのやり方と順番について、解説していきたいと思います!
目次
そもそもMIXって何?
歌ってみたのMIXとは「カラオケとボーカルをひとつの音源にまとめる作業」のことです。
具体的に、歌ってみたのMIXは、以下の3つの工程で進めていきます。
- ボーカル補正
- ミキシング
- マスタリング
歌い手界隈では、この作業をまとめてMIXと呼んでいます。
言葉は聞いたことあっても、どのようなことをするのかイメージがつきにくいですよね…!
そこで、それぞれの作業内容を具体的に解説していきたいと思います。
ボーカル補正とは
ボーカルの補正とは、料理に例えると、食材を洗ったり、切ったり
といった下準備のような作業です。
主に以下の4つの作業を行います。
- ピッチ(音程)の補正
- タイミングの補正
- ノイズの除去
- ハモの作成
歌ってみたでは、このボーカル補正の良し悪しで、MIXのクオリティが決まる
と言っても過言ではないんです…!
ミキシングとは
ミキシングとは、料理に例えると、炒めたり、味付けをして
食材をひとつにまとめるような作業です。
主に以下の4つの作業を行います。
- コンプで音量を整える
- EQで音質を整える
- リバーブで響きをつける
- ディレイで残響を追加する
歌ってみたでは、様々なエフェクトを駆使して、
ボーカルをいかにかっこよく仕上げるかが腕の見せ所です!
マスタリングとは
マスタリングとは、最後に、料理を皿に盛りつけるような作業です。
主に以下の3つの作業を行います。
- 全体のバランスを調整する
- 音圧を上げる
- 音源を書き出す
音量や音圧を調整することで、リスナーが聴きやすい音源にするための最終調整ですね!
歌ってみたをYoutubeに投稿すると、いろんな人の動画と比較されます。
他の動画と比べて見劣りしないように、しっかり音圧を入れてあげることが大事です。
MIXに必要な機材とソフト
それでは、歌ってみたのMIXには、どのような機材やソフトが必要なのでしょうか?
歌ってみたのMIXに、最低限必要な機材とソフトは以下の4つです。
- パソコン
- ヘッドフォン
- DAW
- ピッチ補正、ノイズ除去プラグイン
パソコンに関しては、WindowsでもMacでもどちらでもMIXは可能です。
これに加えて
- オーディオインターフェース
- モニタースピーカー
があると、よりMIXがやりやすくなります。
ただ、最初からすべての機材を揃えるのは、大変ですよね…!
最初は、必要最低限の機材から始めて、余裕が出てきたら徐々に揃えていきましょう!
歌ってみたのMIXにオススメの機材が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
【初心者向け】最初に選んでほしい宅録機材を紹介!【歌ってみた】
定番のDAW
DAWソフトはたくさん種類がありますが、今回は定番のDAWを3つご紹介します!
歌ってみたのMIXは、どのDAWでも出来ますので、好きなものを選んでいただいて大丈夫です!
Protools
プロのレコーディングスタジオでも使われている業界の定番ソフトです。
歌ってみたのMIXを本格的にやるなら、おすすめのDAWです。
オーディオの編集のしやすさと、音質の良さが評判です。
Cubase
Perfumeやきゃりーぱみゅぱみゅを手がけている、
中田ヤスタカさんが使っているソフトとしても有名ですね!
作曲、MIXのどちらもやりたい人におすすめのDAWです。
Logic Pro
https://www.apple.com/jp/logic-pro/
Macユーザーで、作曲、MIXのどちらもやりたい人におすすめのDAWです。
ループ音源なども豊富に用意されているので、初心者でもすぐに作曲が始められます。
Mac専用のソフトなので、Windowsでは使えません。
定番のピッチ補正プラグイン
ピッチ補正プラグインは、歌ってみたのMIXでは、必須のプラグインです!
種類はいくつかありますが、今回は定番ソフトを2つご紹介します。
Melodyne
操作方法がシンプルで、初心者にも使いやすいと評判の補正プラグインです。
ピッチ補正や、タイミング補正だけでなく、
リードボーカルからハモの生成なども出来る、汎用性の高さがウリです。
Auto-tune
ピッチ補正をしたときの、音質の劣化が少ない補正プラグインです。
ピッチをペンツールで自由自在に書くことが出来るので、
ボーカルのニュアンスを生かした補正が可能です。
定番のノイズ除去プラグイン
ノイズ除去プラグインは、ほぼこれ一択です!
iZotope RX
ノイズの種類によってツールを選択するだけで、簡単に除去出来るプラグインです。
ただし、使いすぎると音質劣化の原因にもなるので、やりすぎ注意です!
歌ってみたのMIXで、必須ではないですが、持っておくと便利です。
MIXの手順(ボーカル補正)
それでは、ここから歌ってみたのMIXの流れを解説していきます。
まず、ボーカル補正からです。
ボーカル補正の手順は、以下の7つになります。
①音声データをDAWに読み込む
②音源とDAWのテンポ(BPM)を合わせる
③ボーカルのテイクを選ぶ
④タイミング補正
⑤ノイズ除去
⑥ピッチ補正
⑦ハモの作成
①音声データをDAWに読み込む
まず、MIXをするためには
- ボーカルトラック
- カラオケ音源
の2つの音源が必要です。
残念ながら、すでにボーカルとカラオケが混ざっている音源は、MIXすることが出来ません。
もし、そういった音源を受け取った場合は、別々のトラックに分けてもらいましょう。
音声データを読み込む手順は、DAWによって違いますので、マニュアルを読んでみてください。
②音声データとDAWのテンポ(BPM)を合わせる
音声データの読み込みが出来たら、DAWと音声データのテンポ(BPM)を合わせておきましょう!
DAWと音声データのテンポを合わせておくメリットは、以下の2つです。
- ボーカルのタイミング補正がやりやすくなる
- テンポにあったディレイやリバーブを使える
MIX作業がスムーズになるので、最初に済ませておきましょうね!
楽曲のテンポを探す方法は、下記の3つです。
- 楽曲のテンポをネットで調べる
- DAWに付属しているBPM検出機能を使う
- タップテンポアプリを使う
楽曲のテンポがわかったら、DAWのグリッド(縦線)に、
音声データの波形の位置を合わせておきましょう!
テンポの合わせ方を詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。
③ボーカルのテイクを選ぶ
もし、歌ってみたのMIXでは、歌い手さんから複数のテイクをもらうことがあります。
その場合は、良いテイクをつなぎ合わせて、1本のベストテイクを作りましょう。
ただし、あまりに細かくテイクをつなぎ合わせると
不自然なボーカルになってしまうことがあります。
息継ぎの位置でテイクを切り替えるなど工夫して、自然なボーカルトラックを作りましょう。
④タイミング補正
ボーカルのベストテイクが出来たら、タイミング補正をしましょう。
タイミング補正のやり方は、以下の2つです。
Melodyneのタイミング補正ツールで調整
付属のタイミング補正ツールを使えば、波形を引っ張るだけで簡単に位置調整が可能です。
補正前
補正後
ただ、あまり極端な補正は音質劣化が多くなってしまうので、気をつけましょう!
メロダインを使ったタイミング補正を、詳しくを知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【メロダインの使い方】タイミング・ピッチ補正やケロケロを徹底解説
手動で、波形を編集して位置を調整
もうひとつは、タイミングのずれている波形を、手動で位置調整していく方法です。
地道な作業なので、とても大変ですが、音質劣化がなく修正できます。
補正前
補正後
タイミング補正がおわると、こんなに細かい波形になります…!
手動でタイミング補正をする方法を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
⑤ノイズ除去
ボーカルノイズって歌っているときは気づきにくのですが、
コンプなどで音圧を上げるとかなり目立ってきます。
しっかりとノイズを除去してクリアなボーカルに仕上げましょう。
ノイズ除去の方法は、以下の2つです。
iZotope RXのノイズ除去ツールを使う
ノイズの種類に合わせたツールを使うだけで、簡単にノイズ除去出来るのでとても便利です。
ただし、リペアツールは音質劣化の原因にもなってしまいます…
使いすぎに気をつけましょう!
DAW付属のペンツールで波形を修正
できるだけ音質劣化を少なくしたい場合は、DAW付属のペンツールで波形を修正するのがおすすめです。
補正前
補正後
⑥ピッチ補正
タイミング補正とノイズ除去が出来たら、ピッチ補正をしましょう。
音質劣化の少なさと、ピッチ編集の自由度はAuto-tuneが優れています。
ただ、初心者には、Melodyneのほうが操作が簡単なので使いやすいと思います。
あと、ピッチ補正をするときは、楽曲のキーを見つけておきましょう!
キーがわかると、曲に合った音程にすぐピッチ補正できるので、作業がスムーズになりますよ!
キーの探し方、Melodyneの使い方を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
【メロダインの使い方】タイミング・ピッチ補正やケロケロを徹底解説
⑦ハモの作成
歌ってみたのMIXでは、メインボーカルしかデータがもらえない場合が多いです。
ですが、華やかなMIXに仕上げるためには、ハモ作成が欠かせません。
そこで、メインボーカルのデータを使って、ハモを作成しましょう。
ハモの作成方法は、以下の2つです。
Melodyneを使って手動で作成
Melodyneを使えば、メインボーカルからハモの作成まで出来ます。
ただ、3度上や、3度下など手作業で生成する必要があるので、
音楽理論の知識が必要になります。
iZotope Nectar3でハモリを自動生成
もし、音楽理論の知識に自信がない人も多いですよね…!
その場合は、iZotope Nectar3にハモリを自動で作成してくれる機能が付いています。
MIXの手順(ミキシング)
ボーカル補正が終わったら、ミキシングの作業を進めていきましょう!
ミキシングの大まかな作業内容は、以下の4つになります。
①コンプで音量を整える
②EQで音質を整える
③リバーブで響きをつける
④ディレイで残響を追加する
必ずしもこの順番でおこなう必要はありませんので、状況に応じて柔軟に変えてくださいね!
①コンプで音量を整える
ボーカルトラックは、録音したままですと、Aメロとサビなどで音量にばらつきが出ています。
そこで、コンプレッサーというプラグインを使って音量差を揃えていきましょう!
コンプレッサーの基本となるパラメーターは、以下の4つです。
スレッショルド
- ボーカルの音量が、スレッショルドで決めた数値を越えると、コンプがかかり音量を下げる
レシオ
- コンプがかかったときに、音量を下げる割合を決める値
アタック
- ボーカルの音量が、スレッショルド値を越えてから、コンプがかかり始めるまでのタイミングを決める値
リリース
- ボーカルの音量が、スレッショルド値より下がったときに、コンプが解除されるまでのタイミングを決める値
初心者はプリセットを使おう
コンプってパラメータの意味もよく分からないし、使い方が難しいですよね…
ですので、MIX初心者は、プラグインに付属しているプリセットを使いましょう!
大体どのコンプにもボーカル用のプリセットがありますので
そこから徐々に、自分の好みの設定を見つけていくと上達が早いです!
さらに、詳しくコンプを勉強したい方は、こちらの書籍などが参考になると思います。
②EQで音質を整える
次は、EQ(イコライザー)を使ってボーカルの音色を調整していきましょう。
EQは特定の周波数をブーストしたり、カットすることで、音質を補正できるプラグインです。
ボーカルの声質によって調整すべき周波数が変わってくるので最初は難しいと思います。
そこで、周波数のポイントごとで、どういった音質になるかイメージをまとめてみました。
こちらを参考にして、理想の音質に近づけていきましょう!
周波数ポイントごとのイメージ
100Hz~200Hz
- 声の量感、重みをだしたい場合にブーストする
- 女性ボーカルの場合はこの辺りをカットするとスッキリする
200Hz~600Hz
- 声が細いと感じた場合にブーストする
- こもっているように感じる場合は少しカットする
600Hz~1kHz
- 存在感が薄いと感じる場合は少しブーストする
1kHz~3kHz
- カラオケに埋もれるように感じた場合は少しブーストする
3kHz~16kHz
- キラッとした印象を出したい場合はブーストする
さらに、詳しくEQを勉強したい方は、こちらの書籍などが参考になると思います!
③リバーブで響きをつける
コンプとEQでボーカルの質感が整ったら、リバーブを使って空間の響きを演出しましょう。
歌ってみたのMIXで、歌が浮いてしまうときは、リバーブを使うとオケに馴染みやすいです。
リバーブの基本となるパラメーターは、以下の4つです。
Decay
- リバーブの長さを調整する値
Pre-Delay
- 実音からどのくらい遅れてリバーブが聴こえ始めるかを調整する値
Size
- 空間の広さを調整する値
Mix
- 実音とリバーブ音をどのくらいの割合で混ぜるかを調整する値
さらに、詳しくリバーブを勉強したい方は、こちらの書籍などが参考になると思います。
④ディレイで残響を追加する
やまびこのように音を繰り返して、空間の響きを演出できるのがディレイです。
うっすらかけて奥行きを出したり、歌の終わりでディレイを大胆にかけて飛ばしたり
アイディア次第でいろいろな使い方が出来ます。
ディレイの基本となるパラメーターは、以下の4つです。
Delay
- 音を繰り返す周期を調整する値
- 音符のマークで値を選択すると、テンポに合ったディレイを掛けることが出来る
FeedBack
- 音を何回繰り返すかを調整する値
LowPassFilter
- やまびこの高域を調整する値
Mix
- 実音とディレイ音を、どのくらいの割合で混ぜるかを調整する値
歌ってみたのMIXでは大胆なエフェクト処理を求められることもあります。
時間があるときにでも、いろいろ探求してみてください!
さらに、詳しくディレイを勉強したい方は、こちらの書籍などが参考になると思います。
MIXの手順(マスタリング)
ミキシングが出来たら、トラック全体の調整をするマスタリングをしていきましょう。
マスタリングの大まかな作業内容は、以下の3つになります。
①全体のバランスを調整する
②音圧を上げる
③音源を書き出す
①全体のバランスを調整する
まず、マルチバンドコンプで全体のバランス調整をしていきます。
周波数ごとに分割してコンプを掛けられるので
全体のまとまり感や、音質のバランスを整えることが出来ます。
②音圧を上げる
最後に、マキシマイザーを使って音圧の調整をしていきます。
歌ってみたの動画をYoutubeなどにアップロードしたときに
音が小さすぎないよう、しっかりと音圧を上げておきましょう!
③音源を書き出す
マスタリングが終わったら、最後に音源を書き出しましょう。
書き出すときのファイル形式は、主に以下の2つです。
MP3
- 聴感上、聞こえにくい周波数帯域をカットすることで、容量を軽くしたファイル形式
WAV
- できるだけMIX時の音質を維持したファイル形式
MP3はどうしても音質の劣化が出てしまいます。
歌い手さんから指定がない限り、WAVで書き出しましょう!
マスタリングにおすすめのプラグイン
マスタリングっていまいち何をすればいいか分からないという人もいますよね…!
そういった人には、iZotopeのOzoneをおすすめします!
- ダイナミックEQ
- マルチバンドコンプ
- エキサイター
- イメージャー
- マキシマイザー
などマスタリングに必要なエフェクトが全て揃っています。
さらに、Master Assistantという、AIが自動でマスタリングしてくれるアシスト機能も付いています!
これは、めちゃくちゃ助かりますよね…!
まとめ
今回は、歌ってみたのMIXのやり方と順番について解説しました。
MIXの大まかな流れはつかめましたでしょうか?
ご紹介した手順はあくまで参考です。
ご自身のやりやすいMIX手法を試行錯誤してみてください!
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