類まれな作曲センスで人気を博しているボカロP・Azari
特に『Shadow Shadow』は、ダークな世界観も相まって数多くのリスナーを虜にしています。
なんと、Azari氏のYouTubeチャンネルには名前が登録されておらず、アップロードされた動画にはタイトルも付けられていません。
まさに全てが謎の存在であるAzari。
普通なら名前もないチャンネルを登録しませんよね?
しかし、Azari氏は圧倒的な作曲クオリティと独特の世界観で次々とリスナーを増やしています。
本記事では、Azuri氏が作曲した『Shadow Shadow』の歌詞を考察していきます。
そこに込められていたのは”孤独な叫び”でした。
目次
Shadow Shadowの主人公は独りぼっち?歌詞から解釈を深める
MVからも分かりますが、Shadow Shadowは暗い曲です。
簡単に言えば、一人ぼっちで辛い主人公が嘆き続ける歌です。
しかし、暗い曲だからこそ多くの人が共感を覚えファンになっているとも言えます。
闇に取り残された感覚に陥っている主人公に感情移入してしまう方も多いのではないでしょうか。
それでは早速Shadow Shadowの歌詞に込められた意味をひも解いていきましょう。
歌詞を読み解くヒントはMVに登場する「花嫁姿の女性」です。
嘘をつかれて泣く主人公
人知れず泣いた 裏腹なLie~この身で擬態
冒頭から主人公が泣いている様子が描かれています。
「Lie」を日本語に訳すと嘘という意味になります。また「賽」とは、運命を表す単語です。
歌詞から察するに、主人公は誰かに嘘をつかれ泣いているのでしょう。
そして悪いのは自分なのか運命なのか分からなくなっているように見えます。
人を疑うことの代償として、自分を偽り擬態する。
そうして本当の自分が分からなくなった主人公は「孤独だ」と叫んでいるのです。
束縛されたらKill!?
街角にて悪魔に魂をSell~笑顔で絆だしたら迷わずKill
孤独を感じた花嫁は「悪魔に魂を売りたい」とまで言い出します。
そして「自分は中身が空っぽの人間だ」とアピールしているのです。
次の「絆(ほ)だしたら」とは、動けないように繋ぎとめるという意味。
主人公は、誰かに笑いながら束縛される直前なのかもしれません。束縛される気配を感じたら殺してやるとまで言っています。
状況から主人公は孤独を感じているけど、そばに誰かいるのが分かります。
そしてまた「孤独だ」と叫び続ける…。
一体なぜ主人公はここまで孤独感を強調するのでしょうか。
一寸先も十寸先も闇
暗闇を照らした爪先にゃHell~誤魔化しの解に構えつつChill
暗闇の先に光を見出しても、すぐに地獄。まさに八方塞がりな主人公の様子が伺えます。
また「アタマはIll」というのは、脳みそが病的だという意味になります。
この時点で誰に向かって言っているのかは定かではありません。
しかし、次の歌詞で「その場しのぎの嘘に対しては、冷静に構える」と言っていることから、主人公を孤独に追いやった誰かに向けて「お前の頭は病的だ」と罵っていると推測するのが妥当です。
明らかになる主人公の正体
ザラザラの愛~刺す音に酔う
「ザラザラの愛」「顔も知らない聖者の裸体」「刺す音」
以上の歌詞から、主人公は誰かと夜を過ごしているのでしょう。
しかも、その相手は「顔も知らない聖者」ときたもんです。
一体主人公をここまで苦しめているのは誰なのか?
ここで登場するのがMVで映されている花嫁です。
誰もがこの女性の心境を歌った曲かと思うでしょうが、それはおそらく間違い。
この花嫁は、誰かに向けて手を伸ばしています。しかも虚ろげな目で。
そう、この手を伸ばされている相手こそがShadow Shadowの主人公なのです。
闇に落ち切った表情を浮かべる女性に対する反抗心が、曲中で表現されているのではないでしょうか。
きっと主人公は”好きでもない相手と結婚させられ、初夜を過ごそうとしている”のだと考えられます。
もちろん現代社会では考えられないことですが、16世紀〜18世紀のヨーロッパでは貴族同士が”愛の無い結婚”をすることは普通でした。
MVの背景にも貴族の紋章に見えるマークが並んでいることから、この曲は「中世ヨーロッパで強制結婚させられた男女」を描いたものと考察できます。
虚しさだけ残る初夜
エゴのじゃれ合い~捨てられた影が踊るバラッド
自我はあるけど、そんな未熟な部分は無視しようと歌っています。
このジュブナイルとは「精神的に幼い部分」と「少年・少女期」という2つの意味があると考えられます。
強制結婚が当たり前の時代は、平均結婚年齢も非常に若いです。
特に女性は10代前半で結婚することも珍しくありません。
そんな大切な10代を愛の無い結婚で終わらせようとする文化に対して、主人公は思うところがあるのでしょう。
また「痛みが快楽に変わるころ」という歌詞から、女性が処女であることも分かります。
そして「バラッド」は中世のイギリスなどで謳われてきた物語性のある歌のことです。
ほとんどのバラッドは”破滅的なラスト”を迎えると言われています。
2人が初夜を終えたとき、心の中で響くのは悲しいバラッドでした。
オープニングとエンディングで起こる拍手の意味とは?
『Shadow Shadow』はオープニングとエンディングに拍手音が入ります。
単なる演出かと思いがちですが、おそらくこの拍手は「主人公たちを見守る周囲の人間」が拍手している音ではないでしょうか。
と言うのも、中世ヨーロッパでは”貴族が結婚したとき、立会人たちが初夜を見守る”という文化がありました。
つまり、オープニングで流れる拍手は「これから行為をする2人に向けたもの」で、エンディングの拍手は「行為が無事に終わったことに対する拍手」だと考えられます。
なんとも悪趣味な文化です。しかしそれが当たり前だったのです。
そんな中で主人公は、その文化に疑問符を投げかけていたのかもしれません。
まとめ
『Shadow Shadow』は強制的に結婚させられた男の心情を歌った曲。
というのが私が考察した結果です。
ただ孤独を感じているわけではなく、愛のない世界に対して絶望した結果、孤独を感じてしまったのでしょう。
中世ヨーロッパが舞台と言いましたが、その時代は「権力者が旦那よりも早く花嫁と初夜を過ごす」なんて文化もあったみたいです。
ひょっとしたら、その場面における花嫁の気持ちを歌った曲かも…。
何にせよ考察の幅が広くて驚きます。
若くしてここまでしっかりとした世界観の曲を作れるAzariさん。ますます人気になっていくこと間違いなしでしょう。
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